うつくしき郷土玩具 vol.5「木葉猿」

プリミティブな造形と鮮やかな色彩が目を引く、素朴な猿の人形「木葉猿(このはざる)」。

熊本県・玉東町の木葉という地域に伝わる厄除けや子孫繫栄のお守りで、「祭器を作った際に出た余りの土で猿を作ったら幸せになる」という神のお告げから生まれたそう。現在は町内に一軒のみとなってしまった「木葉猿窯元」で、型を使わず手びねりで作られています。

こちらは6.5センチほどの小さな「団子猿」と呼ばれるもの。要素を限界まで削ぎ落した無駄のないフォルムは、まるで筒形土偶のようなかわいらしさがあります。

このほかにもいくつかのタイプが作られていて、そのうちのひとつである「飯喰猿」には手足があり育座りのようなかっこうをしています。団子猿が筒状土偶なら、飯喰猿は合掌土偶といったところでしょうか。

全身に斑点模様が描かれたものもあり、そちらはパプアニューギニアやオーストラリア先住民、さらにはメキシコの工芸品にも似た雰囲気があります。南洋付近の土俗芸術の流れを汲んでいるという説もあるのだとか。

和に寄りすぎないテイストなのでインテリアにも取り入れやすく、初心者にもおすすめしたい一品です。

文・写真:いくみ
美大で建築を学び、リノベーションやインテリアデザイン事務所を経てフリーに。現在は、グラフィックやウェブなどのデザインをメインにお仕事をしています。 ペットは猫の「なめろう」とイモリの「ゆきち」。
得意なジャンル:

この記事をシェアする