ぽってりとした佇まいがかわいい、南景製陶園の杏 急須

日々お茶の時間に欠かせない道具、急須。
最近は茶漉し付きのカップやボトルなど便利なアイテムも増え、お茶をより手軽に楽しむことができるようになりましたが、淹れたてのお茶を少しずついただくことのできる急須は、やはり特別な存在です。
今我が家で愛用しているのは、万古焼で有名な三重県四日市市で1913年から続く窯元・南景製陶園の杏という急須。
以前1616 / arita japanの湯呑を紹介したのですが、その雰囲気に合うようなものがないかと探していく中で見つけました。
南景製陶園は、急須だけでなく湯呑やお皿などの器も取り扱っています。

すこし開いた縁が花弁のような「芙蓉」、シンプルながらも洗練された印象の「鉄鉢」、ぽってりとした丸みがかわいらしい「杏」、直線的なかたちがモダンな雰囲気の「Sencha」などデザインも豊富で、カラーやサイズ展開もされているため、急須だけでも種類がたくさん。
オンラインショップを見ているだけで、なんだか楽しい気持ちになります。
悩みに悩んだ結果、ころんとした丸いかたちがかわいい「杏」の、コンパクトでありながら感二人分のお茶を一度に淹れることのできる320ccサイズを選びました。

中の茶漉しは金属ではなく、本体と一体型の共茶漉しタイプ。半球状にのばした土に、職人さんがひとつひとつ手作業で穴をあけて仕上げています。シンプルな構造で、お手入れが簡単なのも嬉しいポイント。
内側は施釉されていないため、表側に比べて少しざらりとしています。
この表面の小さな凹凸こそが、お茶を美味しく淹れるための秘訣だそう。お茶の渋みなどを緩和させる効果があり、味わいがまろやかになるんだとか。
洗うときは、洗剤を使わずに水かお湯でさっと洗い流すだけでOK。表面の凹凸に洗剤の成分が残ってしまうと、お茶の味わいにも影響が出てしまうのです。
気になる場合は、しっかりと煮沸をしてから使い始めるのがおすすめです。

大き目のお鍋に水をたっぷりと入れ、急須を沈めて火にかけ、沸騰したら火を弱めて10分程度煮沸します。
すると、内側の表面に空いている小さな孔から、ふつふつと空気が出てくるのがわかります。
火を止めた後は冷めるまでそのままにしておき、その後風通しの良い場所でしっかりと乾かして、準備は完了です。

煮沸をするときにぐらぐらと沸いた状態のままにすると、急須がコトコト動いて鍋底や蓋に当たって割れてしまうことがあるので、火加減には気をつけないといけません。
そんなときは、鍋との間に柔らかい清潔な布を敷くと安心です。今回は「さささ」という和晒を使いました。
用途に合わせてカットできて、料理にも掃除にも使えるので、キッチンにひとつあると便利なアイテムです。

南景製陶園の急須で淹れたお茶は、内側まで釉薬でコーティングされている磁器の急須で淹れたお茶と比べて、渋みやえぐみが少なくまろやかな味わいになりました。
道具一つでこんなに味が変わるなんて、お茶も急須も奥が深くて面白い。
タンニンをしっかり感じたい時など、お茶の種類によってはその良さを発揮できない場合もありそうですが、今のところは大満足です。

陶器で作られた急須は、毎日お茶を淹れることで少しずつ育っていくんだそう。
まさに一生ものの、ずっと大切に使っていきたい急須です。
