桃好きにもネクタリン好きにも食べてほしい、おすすめフルーツ「ワッサー」

初めて食べた時以来、夏の楽しみとなっている食材「ワッサー」。桃とネクタリンの自然交配によって誕生した、信州生まれのフルーツです。かための桃のような雰囲気で、甘さと酸味のバランスが程よい爽やかな味わい。シャキシャキ、ポリポリとした食感はどこか柿にも似ています。そのまま食べてもおいしいのですが、今回はデザートやワインのお供にもおすすめのレシピをご紹介します。

ワッサーの水切りヨーグルト添え

材料 2人前

1. 水切りヨーグルトをつくりましょう

ボウルにざるをのせ、清潔な布巾やキッチンペーパーを敷き、ヨーグルトを入れて冷蔵庫で半日~一晩水を切ります。
四隅をまとめて輪ゴムで縛ると、よりしっかり水を切ることができます。

2. お皿に盛り付けましょう

水切りヨーグルトを皿に敷くように広げ、その上に皮を剥いてカットしたワッサーを盛り付けます。

3. 調味料で仕上げましょう

バジルの葉をちぎって散らし、お好みでオリーブオイルとブラックペッパーをかけたら完成です。

余ったワッサーはスムージーに

熟して柔らかくなったワッサーは、スムージーにするのもおすすめ。

水や牛乳と一緒にミキサーにかけるだけでとっても簡単です。お好みで蜂蜜などを加え、甘さを調整してください。

[動画]ゆかしいレシピ。水切りヨーグルトとポーチドエッグのモーニングプレート

プレーンヨーグルトの水を切るだけで簡単に作ることができる水切りヨーグルト。サワークリームやカッテージチーズのような雰囲気で、料理やスイーツにも合わせやすく手軽に取り入れることができます。夜のうちに仕込んでおいて、翌朝パンと一緒に食べるのが最近のお気に入りです。

材料 1人前

1.水切りヨーグルトをつくりましょう

ボウルにざるをのせ、清潔な布巾やキッチンペーパーを敷き
ヨーグルトを入れて冷蔵庫で半日~一晩水を切ります。
四隅をまとめて輪ゴムで縛ると、よりしっかり水を切ることができます。

2.ポーチドエッグをつくりましょう

小鍋に水500mlを入れて火にかけ、沸騰したら大さじ1の酢を加え、
そっと卵を入れます。卵はあらかじめおたまの上で割っておくのがおすすめ。
時々白身をまとめながら、好みの硬さになるまで2~3分加熱します。
やさしくすくって、水をはったボウルに入れて冷まします。

3.パンを切りましょう

濃厚な水切りヨーグルトと、トロトロのポーチドエッグに合わせるのは
シンプルで素朴なハード系のパンがおすすめです。
お好みでトーストするのもよいでしょう。

4.お皿に盛り付けて仕上げましょう

①~③をお皿に盛って、塩で味を整えオリーブオイルを回しかけます。
お好みで刻んだパセリやブラックペッパーをかけるとより風味がよくなります。
黄身を崩してヨーグルトと混ぜながら、パンといっしょに召し上がれ。

文・写真:いくみ
美大で建築を学び、リノベーションやインテリアデザイン事務所を経てフリーに。現在は、グラフィックやウェブなどのデザインをメインにお仕事をしています。 ペットは猫の「なめろう」とイモリの「ゆきち」。
得意なジャンル:

台湾発の人気店、微熱山丘 SunnyHills のパイナップルケーキ

台湾生まれの定番お菓子、パイナップルケーキ(鳳梨酥)。
日本ではデパ地下などで売っているのを見かけることもありますが、コンビニやスーパーなど日常使いのお店では滅多に出会うことがありません。手作りするのもなかなか難しそうなので、個人的にはもらってうれしいお土産のひとつです。

日本国内で購入できるパイナップルケーキの中でも特におすすめなのが、サニーヒルズ(微熱山丘 SunnyHills)というお店のもの。本場台湾発祥のパイナップルケーキ専門店で、東京・南青山にある店舗は建築家の隈研吾氏が手がけたことでも話題になりました。パイナップルケーキの他にも、りんごケーキやバナナワッフルクッキーなど果物の味を活かしたお菓子を販売しています。


こちらは、5個入のパイナップルケーキ。パッケージは、自然の恵みがたっぷり詰め込まれたお菓子の雰囲気にぴったりな、素朴で温かいデザインです。


自転車と犬と蝶に、手書きの文字。ロゴマークのキャラクターが、ゆるくてかわいいのも好印象です。

パイナップルケーキは、大きすぎず小さすぎないちょうどよい大きさ。中には、パイナップルを煮詰めた餡がぎっしり入っています。優しい甘さとほどよい酸味で、繊維のシャキっとした食感がたまりません。バターと卵、小麦粉にこだわって作られたホロホロのクッキー生地と、トロピカルな風味の餡のバランスも絶妙です。

コーヒーや緑茶との相性もよさそうですが、今回は台湾のお土産で頂いた紅玉紅茶を合わせてみました。他にも烏龍茶やジャスミン茶など、台湾らしいお茶を用意するとよりティータイムを楽しめそうです。

微熱山丘 SunnyHillsのオンラインストアでは、商品購入時に布製の袋をつけることができます。再利用可能なショッパーは、自然の恵みをたっぷり詰め込んだパイナップルケーキを作るサニーヒルズならではのサステナブルなアイディア。小さい縦長のトートバッグは、鞄の中の細々したものをまとめておいたり、ちょっとコンビニで買い物するときに便利そうなサイズ感です。プレゼントや手土産に選ぶ際、個性的なショッパーがあると贈る側も受け取る側も嬉しくなりますね。

まだ食べたことのない方には、ぜひ一度食べてほしいサニーヒルズのパイナップルケーキ。
いつか台湾のお店にも足を運んでみたいと思います。

文・写真:いくみ
美大で建築を学び、リノベーションやインテリアデザイン事務所を経てフリーに。現在は、グラフィックやウェブなどのデザインをメインにお仕事をしています。 ペットは猫の「なめろう」とイモリの「ゆきち」。
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[本のななめ読み]森博嗣『少し変わった子あります』×吉田五十八『饒舌抄』

森博嗣『少し変わった子あります』
×
吉田五十八『饒舌抄』

〜食事と住まいから部分と全体を考える〜

「ああ、美味しかった」

 森博嗣『少し変わった子あります』は、ほんの少しミステリーな雰囲気も漂わせつつ、静かに進んでいくストーリーが魅力の一冊です。冒頭のセリフは、各話ごとに場所も食事相手も違う少し変わった店で主人公が呟いたものです。
 「非常に上品だが、印象は薄く、どうしてもまた食べにいきたい、というほどのものではない」料理。「その子がどんな顔だったか」も思い出せない食事相手。それでも主人公はその食事に確かに満足し、店に通い詰めるようになります。どうやら食事の魅力は料理だけ、食事相手だけ、で成り立つものではないようです。

こういったことは住まいにも言えそうです。
 建築家:吉田五十八が書いた『饒舌抄』冒頭にも似たような話が紹介されています。
「或る人がかういふことを、或る有名な建築家に尋ねた。『住宅建築の極致とはどんなものですか。』するとその人は、『新築のお祝ひによばれて行って、特に目立って誉めるところもないしと云って又けなす処もない。そしてすぐに帰りたいと云った気にもならなかつたので、つい良い気持ちになつてズルズルと長く居たといつたやうな住宅が、これが住宅建築の極致である。』と答えた。」
という話です。
 
 食事も住まいも、はたまた人も、単体の完成度ではなくて、関係するもの全体の気分や雰囲気といったものが満足感の素なのかもしれません。くらし全体の良い雰囲気をつくるためには、ひとつのものにばかりこだわらずに、それぞれのものの関係に注目した方がよいのかもしれませんね。

文・写真:しもだ
生活することを考えのベースにして、建築や文章・アート作品などを制作しています。
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[おうちでごはん] 実山椒の下処理

6月ごろたまに見かける山椒の実。少しお高い気もしますが、下処理をして冷凍保存できるので山椒好きな方は購入するのがおすすめです。

ぬか床に入れたり、魚の煮付けに少し加えたり、定番のちりめん山椒を好みの辛さで楽しめます。

綺麗な緑色のものを選んで、なるべく早く下処理しましょう。

材料

1. 枝から実を外す

大きい枝から実を外します。細い軸が残るくらいは気にしなくて大丈夫です。

実だけになったら、ざっと洗います。

2. 鍋に湯を沸かし、実を煮る

お湯に塩を入れて、実を煮ていきます。

5分くらいが目安ですが、こまめに実を取り出して硬さを確認してください。

指で潰すと皮が破れるくらいになったらお湯をきり、水にさらします。

3. アク抜きをします

水にさらすことでアクが抜けます。30分に1回水を換えてください。

都度、アクの抜け具合、辛さを確認して好みの味になるまで繰り返します。

今回は3時間くらい水にさらしました。

(ぬか床に入れる場合は15分くらい、ピリっと辛い状態で水にさらすのをやめます。)

4.水気を取ります

ザルにあげてしっかり水気を取って、下処理完了です。

冷凍する場合は小分けにしてラップで包み、フリーザーバックに入れて保存します。

溝の繊維は竹串を引っ掛けるように取り除いてください。

下処理をした実山椒を使用するレシピはこちら。

文・写真:まさき
毎日美味しいものを食べることを目標に、設計デザインの仕事をしています。
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香川のアートスポット、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館へ。

「現代アートの聖地」という印象が強い香川県。まず思い浮かぶのが直島をはじめとする瀬戸内の離島ですが、それ以外にもアートを楽しむことのできる場所がたくさんあります。丸亀市にある猪熊弦一郎現代美術館もそのひとつ。ファサードの大きな屋根が特徴的なこの建物は、国内外で美術館や公共施設などを数多く手掛けてきた建築家・谷口吉生氏による設計で、アートだけでなく建築ファンからも人気のスポットです。

JR丸亀駅の南口を出てすぐ、駅前広場に面した好立地。車でアクセスする場合も、JR丸亀駅前地下駐車場の駐車券を受付で提示すれば2時間無料になるので、気軽に立ち寄ることができます。

MIMOCA 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

まず最初に出会うのが、ゲートプラザの大きな壁画「創造の広場」。この日は猛暑日で、外に立っているだけでも汗が噴き出るような暑さでしたが、大屋根が日差しを遮ってくれたおかげでこの空間を楽しむことができました。雨の日も安心です。

エントランスホールから階段を上っていくと、吹き抜けをぐるりと囲うかたちの展示空間が。トップライトから降り注ぐ自然光がとても気持ちよく、開放的な雰囲気で作品を鑑賞できます。

この日、二階の展示室A・Bでは「猪熊弦一郎展 人や動物や物々」を開催していました。動物をモチーフにした作品の中でも、特に頻繫に登場するのが猫。写実的な表現ではないものの、一匹一匹のしぐさや表情は妙にリアルで猫好きの方にはたまらないはず。

二階展示室のベンチに座り空間全体を眺めていてふと気付いたのが、作品の周りにパーティションや立ち入り禁止のラインが設けられていないということ。作品に順番があったり、順路が決められているということもありません。これは「美術館は心の病院」と位置付けていた猪熊氏の意向だそうで、自分のペースで好きなように作品と向き合うことができます。この場所の持つおおらかな印象は、そのような想いがあってからこそ生まれたものかもしれません。

三階の展示室Cでは「加茂克也 KAMO HEAD」を開催していました。トップブランドのファッションショーなどで活躍したヘア&メイクアップアーティストの加茂克也氏の手がけたヘッドピースがずらりと展示されています。美術館での個展は初とのことで、オープニングイベントではファッションショーも行われたそう。細かな枠を設けずにアートをとらえる姿勢が、新たな出会いや発見につながるとあたらめて感じました。

ミュージアムショップでは、猪熊弦一郎や企画展に関するグッズがたくさん揃っていました。せっかくなので気に入ったポストカードをお土産に購入。すました顔の猫と二匹の魚が、ゆるいタッチで描かれています。ダイニングの壁に飾ってみましたが、さりげなくてかわいい。遠方でなかなか足を運べないという方は、ウェブショップからの購入もできます。

本州側から瀬戸大橋を渡ってすぐの丸亀市にある丸亀市猪熊弦一郎現代美術館は、瀬戸内海の波のように穏やかで優しい時間が流れる美術館でした。香川・丸亀と言えばうどんのイメージが強いかもしれませんが、腹ごしらえの後にはぜひアートも楽しんでみてください。

文・写真:いくみ
美大で建築を学び、リノベーションやインテリアデザイン事務所を経てフリーに。現在は、グラフィックやウェブなどのデザインをメインにお仕事をしています。 ペットは猫の「なめろう」とイモリの「ゆきち」。
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[おうちでごはん] ちりめん山椒

家で実山椒を下処理したら、是非作って欲しい一品。炊きたてご飯や、お酒のあてに最高です。

特に初夏の暑さでうだる時期、爽やかな気分になれます。

基本的な分量を書きますが、分量を調整して自分好みのちりめん山椒を作ってみてください。

(実山椒の下処理についての記事はこちら

材料 1人前

1. 材料を火にかける

Aを鍋に入れ、軽くアルコール分を飛ばします。

Bを加えて沸いたら、ちりめんじゃこを加えて3分ほど炊きます。

2. 煮汁がなくなるまで煮詰める

実山椒を加えて全体を混ぜ合わせ、煮汁がなくなるまで炊いたら完成です。

味見をして、塩気が足りない場合は塩を足してください。

3.完成

冷めたら保存容器に入れます。5日くらい冷蔵保存できます。

多めに作って、冷凍も可能です。

文・写真:まさき
毎日美味しいものを食べることを目標に、設計デザインの仕事をしています。
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[おうちでごはん] 桃とブッラータのサラダ

ブッラータ(Burrata)とは、イタリア生まれのフレッシュチーズです。
モッツアレラチーズで生クリームとチーズの(繊維)が包んであり、巾着のような可愛らしい見た目をしています。
そっとナイフを入れてみると、中身がとろりと出てきてとっても素敵。
食事でも、デザートでも美味しくいただけますが、
今回は冷やした桃と合わせてさっぱりとサラダにしました。

材料

1. 桃とブッラータを準備します

桃を切って、お皿に乗せて冷蔵庫で冷やしておきます。

2. ドレッシングを作ります。

A を乳化するまでしっかりと混ぜ合わせます。桃の上にブッラータをのせて、Aを全体にかけ回します。

3. 仕上げます

 塩・ブラックペッパーを振りかけて、バジルの葉をちぎって散らします。

4.できあがり

食べる準備ができたら、そっとブッラータをナイフで切って、いただきます。

文・写真:まさき
毎日美味しいものを食べることを目標に、設計デザインの仕事をしています。
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[本のななめ読み]中島敦『名人伝』×阿部勤『中心のある家』

中島敦『名人伝』
×
阿部勤『中心のある家』

〜形と真髄から建物とくらしを考える〜

 趙の都、邯鄲に住む紀昌は、弓の名人を目指して修行をはじめます。さまざまな修行を経て、弓術の奥義「不射之射」の境地に達した紀昌はついに弓の存在すら忘れてしまいます。中島敦『名人伝』は、少年マンガのような軽快な展開と、漢文の読み下しのような語感・リズム感が心地よい短編です。

 武道の多くには「形(カタ)」という稽古法があります。決まった基本の動きを何度も練習して体に覚えさせることで、実践での咄嗟の応用を可能にするのです。『名人伝』の主人公:紀昌は、徹底的な「形」の稽古のすえに弓術の真髄を得たのですが、真髄を得たがゆえにその手段としての弓を忘れてしまったのです。

 建築家:阿部勤さんの自邸『中心のある家』にも、どこか「名人」の雰囲気があります。

 設計図を見ると、建物の形(カタチ)は真四角で、とても簡潔で決まった形に見えるのですが、写真に写っているものや文章に書かれていることはくらしの風景ばかりです。まるで建物が忘れられたように、住まいの真髄としてのくらしがよく表れているこの家は、住まいづくりの「名人」阿部勤さんの真骨頂と言えるでしょう。

 この絵本の見返し部分には「読者のみなさんへ」という短い文章が書かれています。「私の家は年を経るごとにすてきになってきました。」という一文から始まるこの文章は、くらしと住まいの『名人伝』として読むことができるでしょう。

文・写真:しもだ
生活することを考えのベースにして、建築や文章・アート作品などを制作しています。
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今日のなめろう vol.1

彼の名は、なめろう。

ブリティッシュショートヘアというイギリス原産の猫で、もうすぐ六歳になる。

見る角度によって色が変わるブルーの毛、サンマとかアジみたいだな。

そうなると、つやつやしたゴールドの瞳はうずらの卵黄か。

日本酒に合いそう、なんて言いながらつけた名前だけど、けっこうしっくり来ていると思う。

ペットに食べ物の名前をつけるなんてなんかへんだなぁと思っていたけど、

実際にやってみるとめちゃくちゃかわいい。全然変じゃない。全く問題ない。

問題と言うほどではないけれど、ちょっと厄介なのは、

居酒屋のメニューの中になめろうの文字を見つけると、真っ先に猫を思い浮かべてしまうこと。

そのくらい。つまり、全く問題ない。

文・写真:いくみ
美大で建築を学び、リノベーションやインテリアデザイン事務所を経てフリーに。現在は、グラフィックやウェブなどのデザインをメインにお仕事をしています。 ペットは猫の「なめろう」とイモリの「ゆきち」。
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