うつくしき郷土玩具 vol.3「猫だるま」

猫を飼いはじめてから、市場に溢れる猫モチーフのものが目に留まるようになりました。

それまでは、ほんとうに全く興味がなかったのに。

一度手を出したら最後、余計なものまでどんどん買ってしまいそうで自制をかけているのですが、唯一いくらでも買ってよいことにしているのが郷土玩具です。

こちらの招き猫も、以前紹介した起き上がり弘法師と同じく福岡市のお店・山響屋さんのポップアップイベントで入手したもの。

赤ら顔でまんまるおめめのぶち猫が、とぼけた表情のだるまを携えているかわいらしい人形です。

手に持ってみると軽くて張り子のようですが、ざらりとした手触りで何かちょっと違う。

聞けば「練り物」といっておがくずを固め形成する技法だそうで、埼玉県越谷市で作られている郷土玩具だそうです。

ひとつひとつ手作業で丁寧に絵付けをしているため、一体一体の表情がちょっとずつ違うのも愛らしく、どれにしようか迷うのもまた楽しい時間でした。

招き猫と達磨というふたつの縁起物がひとつになっている、最強のモチーフ。

眺めているだけで、ちょっと幸せな気分になります。

文・写真:いくみ
美大で建築を学び、リノベーションやインテリアデザイン事務所を経てフリーに。現在は、グラフィックやウェブなどのデザインをメインにお仕事をしています。 ペットは猫の「なめろう」とイモリの「ゆきち」。
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