うつくしき郷土玩具 vol.2「起き上がり弘法師」

福島県会津若松市の郷土玩具といえば、首がゆらゆら揺れる牛の張り子「赤べこ」。

公園の遊具やプラモデルにもなっている人気の工芸品です。

ずんぐりしたフォルムとゆるーい動きは、見ているだけで癒し効果抜群。

ファンが多いのも納得できます。

しかし、会津若松には、そのさらに上を行く究極の癒し系張り子があるのはあまり知られていません。

その名も「起き上がり弘法師」。指で弾いて倒してもぴょいっと起き上がる、あの玩具です。

福岡市にある民芸品と郷土玩具のお店・山響屋さんのポップアップイベントで、ふと目に入ったこの張り子。

手作り感たっぷりのゆらいだかたちと、なんとも言い難い表情は、まさに癒し系。

親指の第一関節ほどの小さい人形ですが、しっかりと起き上がります。

これは絶対に買わなければ。

話を聞くと、家族の人数よりも一体多く迎えて幸せを祈る風習があるのだそう。

一体一体の個性が強すぎて選ぶのに時間がかかってしまったけれど、

そんなところも含め、愛おしく思えるのです。

文・写真:いくみ
美大で建築を学び、リノベーションやインテリアデザイン事務所を経てフリーに。現在は、グラフィックやウェブなどのデザインをメインにお仕事をしています。 ペットは猫の「なめろう」とイモリの「ゆきち」。
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